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シングルバーナーの選び方(前編) 2022.12.03

はじめてバーナーをお買い求めいただく際に、たくさんの機種の中から、ご自分に合った1台を選ぶことに迷われる方は多いかと思います。
今回はシングルバーナーを選ばれる際のご参考になればと思い、選び方のポイントを一例としてご紹介します。
※バーナーを選ぶ際の視点は、いろいろあるかと思います。今回の記事は、その視点のひとつとしてご参考になればと思います。

どんな調理をどこでするか?イメージしましょう!!

写真後方左: 別売の大型4本ゴトク「フォーフレックス SOD-460」を装着したマイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310
写真後方中: 標準装備の小型3本ゴトク「トライフレックス SOD-461」を装着したマイクロレギュレーターストーブウインドマスター SOD-310
写真後方右: 重心が低く安定した4本ゴトクのレギュレーターストーブ FUSION ST-330
写真手前中: コンパクトな直結型でありながら大型4本ゴトクを備えたレギュレーターストーブ Range ST-340

シングルバーナーにはいろいろな種類があります。
大きなゴトクを装備したモデルや、ゴトクが小さく軽量なモデル。
使用時にバーナーとガスボンベが一体になる直結型や、バーナーとボンベが離れていて調理がしやすい分離型。
また、使用する燃料にもガス式やガソリン式の違いがあります。それぞれの違いには、それぞれの利点がありますが「どの機種を選べばご自分の使用に合っているのか」を選ぶのは難しいかもしれません。
そのような時はまず「どんなクッカー(鍋)」を「どこで使うか」をイメージするとバーナー選択までの糸口になります。

登山での使用
ピクニックでの使用
ツーリングでの使用

まずは、使用するクッカーを選んでみましょう!!

バーナーよりも比較的選びやすいのがクッカーになるかと思います。そこで、まずはご自分が使うと思われるクッカーをイメージしてみましょう。バーナーを使ってどのような料理をしたいかイメージすると、クッカーの大きさやカタチが概ね見えてきます。
例えば、「2人分の調理を一度に行うこともあるのでやや大きめのクッカーを使う」とか、「レトルト食品を温めるためのお湯を沸かすことが目的なので小さなクッカーで十分」などをイメージします。そうすると使用するクッカーの大きさが見えてきます。

クッカーには2~3人分の調理に対応するものから、ソロのワンバーナークッキングに向いたもの、コーヒーが淹れられる程度の小さなものまでさまざまなサイズやカタチがあります。

使用するクッカーが見えてきましたら、そのクッカーを基準にしてバーナーのゴトクサイズを見ます。(ゴトクとはクッカーを載せるための台です)ご自分が使用するクッカーをバーナーのゴトクに安定して載せられることが、バーナー選びの大きなポイントになります。ゴトクに対してクッカーが大きすぎたり小さすぎたりしないかチェックしましょう。
大きなゴトクを選べば小さい鍋でも対応できるように思いますが、実は大きなゴトクは、ゴトクの内側の隙間が広いことが多く、小さなクッカーを載せた時に、その隙間に鍋底が落ちやすく安定しないこともあります。また、ゴトクの大きさと火口の大きさは比例していることが多く、大きなゴトクのバーナーになるほど火口径も大きくなることが一般的と言えます。そのため、大きなゴトクで小さなクッカーを使用すると、バーナーの炎が鍋底よりも外へ逃げてしまい、効率良く鍋底を加熱できません。
ゴトクの大きさは「大は小を兼ねる」とは言えないところがあります。
お使いいただくクッカーの直径に近いサイズのゴトクを搭載したバーナーを選ぶことが、バーナーとクッカーの相性を見るポイントになります。店頭にクッカーとバーナーの展示品がある場合は、店舗スタッフの方に聞きながら実際にクッカーをバーナーのゴトクに載せてサイズ感をご確認いただくことをお勧めします。

使用するクッカーがバーナーのゴトクに安定して載せられるかが、バーナー選びのポイントのひとつです。
クッカーの直径とゴトクの直径が近いと、鍋底への加熱が比較的にムラなく行えます。
クッカーの直径に対してゴトクの直径が小さく不安定です。火口径も小さく鍋底の中心に炎が集中して加熱ムラが生じます。
使用するクッカーに対してバーナーの火口径が大きい場合、炎が鍋底から外へ逃げてしまい効率的に使えないこともあります。
大きなゴトクは内側の隙間も広いことが多く、小さなクッカーやシェラカップを載せた時に隙間に落ちてしまうこともあります。

バーナーには「直結型」と「分離型」があります!!

バーナーは、バーナー本体にガスボンベを直接取り付ける「直結型」と、バーナー本体とガスボンベが燃料ホースを挟んで離れている「分離型」に分かれます。
直結型は軽量かつコンパクト性を重視していることが多く、比較的ゴトクが小さいです。分離型はコンパクト性よりも調理のしやすさを重視しておりゴトクが大きく重心が低いので、大きめの鍋を使用しても安定した調理をすることができます。
軽量コンパクト性は「直結型」が勝りますが、調理のしやすさを優先したい方には「分離型」がお勧めです。

写真左: OD缶を燃料にした燃料直結型のマイクロレギュレーターストーブウインドマスター SOD-310。
写真右: CB缶を燃料にした燃料直結型のレギュレーターストーブ Range ST-340。
直結型は、バーナー本体を燃料へ直接取り付けるタイプです。持ち運び(スタッキング)を優先したタイプで小型軽量が特徴です。スタッキングを優先しているため分離型に比べゴトクが小さく、大きめの鍋のご使用には向きません。
写真上: CB缶を燃料にした燃料分離型レギュレーターストーブFUSION ST-330。
写真右: CB缶を燃料にした燃料直結型のマイクロレギュレーターストーブFUSION Trek SOD-330。
分離型は、バーナー本体と燃料がホースで繋がれているタイプです。
直結型に比べ、スタッキング性に欠けますが、ゴトクの重心が低く大きいため、大きめの鍋も安定して載せることができます。

※「シングルバーナーの選び方(後編)」につづきます。後編では使用環境別の製品特徴とシチュエーション別のオススメ製品をご紹介します。