SNOW TRIP with TriTrail & CB Tough
2024.07.02 読みもの
日程:2024年3月末
場所:北海道富良野岳(標高1,912m)
天候:晴れ
気温:気温-10℃〜-5℃
今回は中西 隆裕さんが2024年3月末頃、富良野岳へソロトリップに行った時の話を絶景写真とともにご紹介。
【中西隆裕さんとは…】
主に冬シーズン、スキーやスノーボードをメインとして活躍しているアウトドアフォトグラファー。
活動は北海道のバックカントリーを中心としながら、東北や長野の雪山へも赴き、ほぼ雪の上で過ごしている。
そんな中西さんが今回訪れた富良野岳は、十勝連峰最南端にあり北に険しい尾根を引いた姿が魅力的な山で、当日の気温はおよそ-10°〜-5°。
この日は「アスリートとの撮影に向けて、雪の付き具合チェックを兼ねたロケハンのため山へ行った」とのこと。
【中西さんの普段の登山スタイルは?】
スキー板にクライミングスキンをつけて、山に登っては滑って降りるという ” スキニング ” をします。
スケジュール的な面では、アスリートとの撮影はほとんどが日帰りですが、テントを持っていき4〜5泊することもあります。
荷物は50Lのバックパックに、水とお湯(1L〜1.5L)、カメラ機材一式、ダウンジャケット、行動食(おにぎりを好む)などを詰めて持っていきます。
他にも緊急時の備えとして、ゾンデ棒、シャベル、ビーコン、ファーストエイドキット、ロープ(スキーをソリにするため)などを携帯しています。
泊まりで行くときはもちろんフリーズドライなどの食事やお湯を沸かすためのバーナーも持っていきます。
【今回の山の状態は?】
天気予報のウェブサイトで風は強いということはわかっていましたが、晴天ということも読めていたので、「危険を感じずに動ける範囲で」という考えで行動しました。
広くて平らな斜面の続く前半はずっとスキーを履いて歩けましたが、斜度が上がり始めてからは、早めにクランポン(爪状の金属の道具)に付け替え、スキーはバックパックに着けて担ぐ形で上を目指しました。
稜線に出てから山頂までのエリアでは、吹き付ける風は厳しかったものの視界は良くてとても綺麗な景色を眺められました。
この日の結果として、下見したかった斜面への雪付きは悪くなかったのですが、積雪量自体は少なめに感じられ、全面的にウィンドパックされた硬めの状態だったのでまた様子見の時間は必要だなと思いました。
【普段山へ持って行く行動食は?】
エナジーバーなど軽量で高カロリーなものを選んでいたときもありましたが、一時期シャリバテをすることが増えたときに行動食を見直したことがあります。
そして今、最終的に行き着いたのは「おにぎり」。
自分にとっては高エネルギーである事とともに、メンタル的な話になりますが「満腹感」「満足感」を得ることも大事なんだと思います。
私は雪山へおにぎりを持っていく際、おにぎりを薄い(ペラペラの)銀マットにくるんでいます。
-15°〜-20°あたりだとおにぎりの表面がパリついたり、中の方までシャーベット状になることがあるためです。
実際、寒さの影響でシャリシャリなおにぎりになることはありますが、カチカチでどうしようもない状態にはなったことはなく、
それでも食べれるので個人的には気にしていません。
もし、「どうしても柔らかいおにぎりを!」と思うならば厚めの保温素材で包んだ方がいいかもですね。
でも嵩張っちゃいます。
それとも、ずっと胸ポケットのような体温にふれるところに入れておくか…?
そういう観点でいくと、カステラや菓子パン、饅頭は、寒さに対しては全然平気でした。
大福は少し硬めになったりしますが、それでも個人的には大丈夫です。
チーズ、サラミ、魚肉ソーセージなども全然平気で良いと思います。
有名なチョコレートバーのように、チョコ以外にキャラメル系の物が含まれていると、
それこそガチガチに固まってひたすら舐め続けることになったりしますので注意が必要です。
また、普段は時間がなくあまり行わないが、「バーナーをつかって一息いれる」というのはとてもリラックスできて良い効果があると思います。
山にいるときは楽しむ反面、安全のためにピリピリしている時間が多いので、一転して良い時間になると思います。
【普段持って行くバーナーは?】
環境によってはガソリンストーブを使用することもありますが、主にOD缶ストーブを使っています。
ここ数年のメイン機種はウインドマスター。
故障などの不具合もなく信頼性が高いため安心して使えると感じています。
【今回ST-350を使ってみてどうでしたか?】
今まで、「山=OD缶」という概念がありCB缶を選択肢として考えたことがなかった。
今回ST-350とタフ缶を使ってみて感じたのは…
まず率直にST-350はとても軽いということ。
あとタフ缶をつけて雪の上に直置きで使っても火力的に問題無かったこと。
この2点から、今後もこの組み合わせで山へ持っていきたいと思いました。
【ST-350を使ってみて気になる点は?】
ボンベを着脱するときに、少し取り付きが硬い(固い)と感じた。
他の機種はもう少し軽い印象があったため少し気になりました。
【ライト&ファスト】
一般的には軽い=正義という風潮を感じますが、ストーブ本体の重量だけ見ればもっと軽いものもあるけど自分にとってはそれに勝るメリットがあれば良いと思う。本体サイズも個人的には問題ないレベル。
形状的に「ボンベ(CB缶)がバックパックに対して収まりが良い」というのもプラスとなるポイントですね。
【あとがき】
中西さんのスノートリップ、いかがでしたでしょうか?
天候や活動範囲にもよると思いますが、タフ缶はこんな環境にもしっかりと対応できている様子。
もしよければ、みなさまもTriTrail ST-350とタフ缶を持って山へ行ってみてはいかがでしょうか?
ちなみに気になる点とされていた、ボンベ着脱時の硬さについてはこんな理由がありました。
→TriTrail ST-350はガスボンベが3本目の脚となる構造のため、接続の強度と安定感の確保が重要です。
そのため、従来品と比較してボンベホルダーの材料は固めのものを使用しております。
ボンベの着脱が少し固く感じるかもしれませんが、使用時の安全性は保証されていますのでご安心ください。
中西隆裕
主に冬シーズン、スキーやスノーボードをメインとして活躍しているアウトドアフォトグラファー。活動は北海道のバックカントリーを中心としながら、東北や長野の雪山へも赴き、ほぼ雪の上で過ごしている。